【第1章最終回】初期の「企業の統治プロセス」をつくったアンリ・フェイヨル!そもそもプロセスって何?
皆さんこんにちはALEXです。
今回は前回とはジャンルの違う「企業のプロセス」を紹介していこうと思います!
初期の企業プロセスって一体どんなものなんだろう??
経歴
アンリ・フェイヨル(Henri Fayol)1841~1925。(日本ではファヨルと書かれることが多いが仏語発音に準じてフェイヨル)
19歳、仏グランゼコール卒業
25歳、主任技師になる
31歳、鉱山部門の役員
37歳、経営を任される
47歳、本社の社長、30年案活躍
75歳、「産業ならびに一般の管理」を出版
33年後英訳され世に広まる
プロフィール
テイラーとほぼ同じ時代を生き、そしてより大きなインパクトを近代マネジメントに与えた。企業活動を定義し全社的「統治プロセス」をつくった、スーパーエリート。
1841年フランスで生まれ教育の最高峰グランゼコールのひとつを19歳で卒業する。鉱山企業で昇進を重ね、47歳で本社の社長に就任する。倒産寸前だった同社を優良企業へと転換し、以来30年間、トップとしての責務を果たした。50代後半からその豊富な経営経験を独自の経営理論になとめ『産業ならびに一般の管理』として1916年に出版した。
25歳、主任技師
↓
31歳、役員
↓
37歳、鉱山の経営
↓
47歳、社長
企業における必要不可欠な活動を6つに分類した
- 技術活動=開発、生産成型、加工[開発・生産]
- 商業活動=購買、販売、交換[販売・購買]
- 財務活動=資本の調達と運用[財務]
- 保全活動=資産と従業員の保護[人事・総務]
- 会計活動=棚卸、バランスシート、コスト計算、統計[経理]
- 経営活動=計画、組織化、指令、調達、統制[経営企画・管理]
この中でも6番目の経営活動が重要だと考えた。ビジネスの方向性や経営方針を定めること各種活動間の調整、それらすべてが「経営活動」になる。
経営活動
- ビジネスの方向性
- 経営方針
- 各種活動間の調整など
フェイヨルは組織レベルが上がるにつれて「経営活動」の比率は上がるべきだとした。
社長は会社の規模のよって時間、能力の50%をあるべきとしました。
68年後、ポーター(後にでる巨匠)が唱えたバリューチェーンそのもので、なかでも経営活動は画期的だったと言える。
企業の経営管理プロセスはPOCCCサイクルと定義した
すばり5つ!
経営管理(Administration)
①計画(Planing)
↓
②組織化(Organizing) 人・もの・お金
↓
③指令(Commanding)
↓
④調整(Coordinating)
↓
⑤統制(Controling)
これをPOCCCサイクルと呼んでる。このPOCCCサイクルを回し続けることこそが企業を経営管理するということであり、それは組織に寄らず普遍的であるというのが彼の主張だった。
現在でもPDS(Plan→Do→See)やPDCA(Plan→Do→Check→Act)サイクルとして大いに用いられている。
テイラーは工場を管理し、フェイヨルは企業と人を統治した。
テイラーは時代背景からくる管理内容(作業と賃金と生産性向上)や手法の「偏り」もありましたが、その管理範囲の「狭さ」にもありました。彼の関心は主に工場や現場内の生産性向上であり、工場叩き上げの技術コンサルティングでは限界があり結局その限界を大きくはみ出ることはしませんでした。
一方、プロの経営者だったフェイヨルはテイラーやメイヨーのような工場や現場を管理範囲とするのではなく、企業全体を管理範囲にしてました。なので経営管理という意味に「マネジメント」ではなく「アドミニストレーション」という言葉を用いました。
またテイラーの「人間関係論」を待つことなく、人間管理と関係管理の重要性を認識していました。マネジャーたちには「常に従業員や組織の状態に気を配る」ことを求め、有名な「14の管理原則」では「原則11公平(公平とは公正に思いやりを込めたもの)」としています。原則を守りつつも、思いやりのある配慮をしてこそ企業は統治(Governing)できるというのが、経営者として彼の学びでした。
これで第1章は終わりです。
〈振り返り〉
第1章では近代マネージメントの3つの源流を紹介しました。
「科学的管理法」を生んだ、フレデリック・テイラー
「豊かな大衆」を生んだ、ヘンリー・フォード
「人間関係論」の始祖エルトン・メイヨー
「統治プロセス」を生んだ、アンリ・フェイヨル
第2章では「近代マネージメントの創生」を書いていこうと思います。
ついに「経営戦略」という言葉がうまれ、3つの源流を土台に「経営戦略論」が生み出されていきます。
次回
世界恐慌を救ったヒーロー、バーナード革命!!
どうやって世界恐慌を乗り切ったのか??その方法に迫ります。
是非お楽しみに(^▽^)