ニートのアメリカ留学物語

今アメリカに留学している。ニート。日々の鬱憤を爆発する場所。

【経営戦略の歴史1章】3話。人間関係論の誕生!!これが源流や!!

皆さんこんにちはALEXです。

 

今回は前回の2話で単純作業化によって生産性向上・賃金向上は成功しましたが、労働者が単純作業に耐えられなくなり失業率があがりました

そこで人間関係論が生まれました。それは一体どういうものなのか見ていきましょうー

 

失業率250%から5%まで下げた「人間関係論」の始祖、ジョージ・エルトン・メンヨー(George Elton Mayo)1880~1949


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31歳、医学・倫理学・哲学を修め教員になる。

42歳、米港に渡り「ミュール実験」。その後、HBSに招聘され「ホーソン実験」に参加

   スタンフォード大学のウォートン・スクールで業績を築く。

 

「社会的存在としての人間」を見出したのは、1880年オーストラリアのアデレードで医師の子として生まれたエルトン・メンヨーでした。医学・心理学・哲学を学び42歳でアメリカに渡りペンシルバニア大学ウォートン・スクールで「産業精神衛生の研究」に携わりました。

 

ことの始まりは?

1923年、フィラデルフィアの紡績工場最新鋭のミュール紡績部門だけは他の部門に比べて離職率がとても高く、その原因を探る研究をメイヨーに頼みました。当時のミュール紡績部門は離職率驚異の250%。毎月従業員の2割が辞める計算になります。(他の部門は年5~6%)

メイヨーは離職率が高い原因は仕事の「単純さ」と「孤独さ」からくる「精神的疲労」が原因だと推測しました。そして従業員たちにもっと休憩時間を与えるよう提案しました。

数ヵ月後

メイヨーの目論見は当たり離職率は年5%程度へと劇的に低下しました。さらに生産性も向上したのです。

離職率250%→5% 改善

生産性UP

メイヨーの推測通り就職率は下がりましたが、もっと下がった原因は他にあるんじゃないかと考えました。

 

1927年ハーバード大学ビジネススクール(HBS)に移っていたメイヨーは電話機製造会社ウェスタン・エレクトリックのホーソン工場での実験に取り組みます。

 

科学的管理法に反する結果!?

実験1、照明実験

最初の実験では照明実験を行いました。

「作業効率は照明が明るくなるほど上がる」と言われていたので実験してみたら、、

 

照明を明るくしたときも暗くしたときも生産性がどちらも上がったのです。しかも、照明を変えてないチームまで生産性までも上がったのです。この実験結果はテイラーの科学的管理法に反してました。この結果に驚いたメイヨーは他のパターンでも実験を行ったのです。

 

実験2、労働条件をいろいろと変える

メイヨーは100人の女工さんたちから6人を選んで実験チームをつくりました。

実験チームに対してはいろいろと労働条件をかえてみて生産性がどうなるかを調べました。

賃金UP

休憩

軽食の提供

部屋の温度。18℃or35℃

部屋の湿度

 

実験結果は予想外でした。

労働条件がどう変わろうとも、条件が変わるたびにその生産性を上がり続けました。彼女らのプライドや連帯感は、すべて(賃金・作業環境など労働条件)に打ち勝ったのです。

 

実験3、大規模面接

こうなれば一度工場で働いている従業員全員に話を聞いてみたいと思い、

1928年~30年、従業員に対する大規模な面接調が行われました。当初は検査部門1600人が対象でしたが最終的に工場全体2万人以上が面接対象になりました。聞き取り方法も当初は質問項目が決まってましたが途中から現場マネジャーが面接を行うようになり面接も自由に会話する雑談のようなものに変わっていました。

でも意外な結果がすぐに表れました。

面接をしただけで(内容にかかわらず)生産性が向上したのです。従業員は話すうちに、自分の不満が根拠のあるものなのかどうかを自ら理解し、現場マネジャーは聞くうちに部下たちの状況を把握し、対処することで自らを高めていたのです。

 

メイヨーの結論

他の実験結果の結果を踏まえて、彼は結論づけます。人は賃金ではなく人間関係で働く、と。

 

  1. 人は経済的大家より、社会的欲求の充足を重視する。
  2. 人の行動は合理的でなく感情に大きく左右される。
  3. 人はフォーマル(公式)な組織よりインフォーマル(非公式)な組織(財閥や仲良しグループ)に影響されやすい。
  4. ゆえに人の労働意欲は、客観的な職場環境の良し悪しより、職場での(上司や同僚との)人間関係に左右される。

つまり
会社で定めたルールや仕組みを押しつける厳格な上司よりも、チームや個人の状況に裁量権を与えてくれる上司のもとでこそ士気も生産性も上がるということ。


労働環境や条件なんて生産性とそれほど関係ないってことかぁ?

いや!テイラー先生の「科学的管理法」が間違っていたわけではなく

生活水準の向上が人間を「経済人」から「社会人」に変えたのだ!

 

以来、企業での生産性向上というテーマは、まことに複雑で深遠なものになりました。

  1. コスト
  2. 効率
  3. +a感情

コストや効率だけではなく、感情も扱わなくてはならなくなったからです。

 

こうして研究を重ねたメイヨーは働く者たちの幸福のために「人間関係論」という主張を構築しました。

それは「産業社会学」という新しい学問分野を生むと同時に、「行動科学」という名のもとで様々な実学を生み出してきまいした。今われわれにもなじみ深い

  • モチベーション研究
  • リーダーシップ研究
  • カウンセリング研究
  • 提案制度
  • 小集団活動

などはすべてメイヨーの「人間関係論(的管理法)」が源流なのです。

 

そうしてメイヨーは67歳の退官するまで多くの弟子たちを育て69歳でこの世を去りました。

 

 

人間関係論によって、ようやく経営戦略の基本が見えてきました(^▽^)

次回は第1章、最終回!

 

次回

「企業活動」を定義し、「企業の統治プロセス」をつくったアンリ・フェイヨル

これがなければ今の企業活動がない( ಠωಠ) (°Д°;